東京と地盤沈下の歴史


東京と地盤沈下の歴史
日本は世界でも数少ない地震大国です。関東大震災や阪神淡路大震災、東日本大震災など幾度となく大地震に見舞われてきました。地震が起きた後、気を付けなければならないのが二次災害です。建物の倒壊や火災、津波など地震のあと数週間は危険な状態が続きます。今回はそんな二次災害の中から「地盤沈下」について解説いたします。地盤沈下とは文字通り、地震によって地盤が沈下してしまうことを指します。東京における地盤沈下の歴史とはどのようなものがあるのか、都内でも地盤が弱い地域はどこなのか、という点にスポットを当てていきます。

地盤沈下の歴史

東京で地盤沈下が起きたのは明治時代の末頃だったと言われています。はっきりとした記録としては大正12年、関東大震災のあとに水準測量が行われたときのものが最初です。その後は水準点を増やし、昭和10年以降には鉄管を基準とする地盤沈下の観測が行なわれるようになりました。

原因は地震だけではない

調査を続けていくにつれ、東京で起きた地盤沈下の主な原因は、地下水位の低下による表層地層の脱水圧密であるということがわかりました。簡単に説明すると、水の浸透しにくい土の上に建物を建ててしまったため、時間が経つにつれて土中の水分が抜け、土が圧縮されたために地盤が沈下してしまった、ということです。このように地盤沈下の原因は地震だけではなく、人為的なものの場合もあります。この例の際は具体的な対策がとられるまでに至らなかったため、建物の被害や道路の陥没、ゼロメートル地帯の拡大などの被害が生じてしまいました。

地盤沈下への対策

地盤沈下のための対策が、東京で初めてとられたのは昭和36年の1月でした。工業用水法に基づき、工業用水道による代替水の供給によって既設の井戸からの揚水規制を行いました。隅田川と荒川に囲まれた、もっとも地盤沈下の激しい江東区を中心にこの規制は広まっていったとされています。

東京都内の地域別地盤強度

ご存知の方も多いかと思いますが、地震の強さは震源地に限らず、それぞれの地域の地盤の固さによっても異なります。大げさに言えば、震源地から同じ距離にある場所でも、地盤が強ければ震度6だけど弱ければ震度7になってしまう、ということがありえるということです。そのときに気になるのが「自分の住んでいる地域の地盤の固さはどれくらいなのだろう」ということですよね。では実際に都内の地盤の強いところ、弱いところを地域別に確認していきましょう。

地盤の強い地域

山手線の東側を境に、西に向かって武蔵野丘陵という台地になっています。この「武蔵野丘陵」にある地域は地盤が強いと言われています。都内で安全とされている主な地区は板橋区、練馬区、千代田区などがあげられます。ほかにも比較的安全とされているのが、杉並区、世田谷区、新宿区、渋谷区などです。東京23区よりも西側にある市部、そしてさらにその奥地にある山間部なども地盤の強い安全な地域とされています。

地盤の弱い地域

反対に災害の際に危険度が高いとされている地域は以下のとおりです。荒川区全域、足立区南部の一部、墨田区全域です。一部の地域で危険度が高い地域は葛飾区、台東区、江戸川区、江東区、品川区などがあげられます。ハザードマップを開いた際に、とくに目につくのが荒川区と足立区南部、北千住周辺でした。このあたりは、都内屈指の河川である荒川、隅田川沿いのエリアです。近隣に大きな河川があるエリアは地盤が弱く、ゆるいということがわかります。さらに、下町と呼ばれるこの地域には耐震基準を満たしていない古い建物も密集しています。最悪の場合、地盤沈下と火災の両方が発生してしまう可能性もあるでしょう。

おわりに

地盤沈下というものはいつ発生するかわかりません。じわじわと進行しますが、被害が出るときは一瞬です。地盤沈下が発生してから焦るのではなく、あらかじめ安全な地域を確認しておくことが大切です。東京都内に住んでいる方は、一度ご家族で「地盤沈下が起きたらここに集まる」という地域を決めておく機会を設けると良いですね。

水と生活の歴史

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人類有史の頃から水に関する記録は様々な文明で遺されてきました。今日、私たちは労することなく水を飲み、生活はもちろんのこと大量生産のため水を使いますが、これまで培ってきた先人たちの歴史に触れ、普段使っている水がかけがえないものであることを知るためにこのサイトを制作しました。